なぜ、印刷の記事を書かないのか
まずは、印刷会社なんだからもっと印刷に関する記事を書いた方がいいんじゃない。って言われることがしばしばあります。でも印刷機の説明とかこんな印刷機持ってますとかそんな記事書いたって一般の人にはあまり関係ない。
見にくるのは同業者くらいです。下請けの仕事をするなら必要な情報かもしれませんが、昔みたいに振り回される仕事はもうしたくありません。
当社も昔は下請けの仕事が多く、毎日名古屋まで原稿をもらいにいったのを思い出します。
って話はおいといて。
一般の人にとっては、印刷するだけなら安けりゃいい。昔みたいに品質がどうのこうのって言われる時代でもないかなって思ってます。かといって価格を掲載したところで全国にある強豪と比較されて終わりです。
印刷自体はただの器
印刷物自体はただの紙、食で例えるなら食材がもられている器に過ぎません。そこで思ったのは食材を調理し提供できなければ価値は生まれない。ということです。
印刷物の食材
- 心を動かすキャッチコピー
- 内容が豊かなコンテンツ
- 魅力的な写真 印象的なイラスト わかりやすいデザイン。
ここからが大切。
- 料理を作る際に食材を選ぶ人
- 食材を加工する人
- 食材を調理する人
- 食材を盛りつける人
それぞれがばらばらの人が行うとどうでしょう? 「調理人からこういう料理が作りたいからこういう食材かってきてほしかった。」 「なんでこういう盛りつけ方をするの?」 「お客さん、こういう味付けが好みなのに全然ちがう味付けになってる」 という風に意志を統一するのは簡単ではありません。というか不可能だと思います。
一般的な印刷会社の流れ
- 営業マンが仕事を受注。
- お客様の元で意見を伺い社内・社外デザイナーに渡す。
- デザイナーが簡単なラフデザインを書き、お客様に承諾を得る。
- デザイナーがカメラマンと話しどういう写真がほしいか指示する。(デザイナーの意図する写真が撮れるかは意志の疎通が必要でデザイナー立ち会いの元に行う必要がある。) 再度、持ち帰りデザイン案を作成する。
- 営業担当がお客さんに校正案を届ける。
- 営業担当はお客さんとデザイナーの橋渡し。 伝言ゲームが繰り返される。
- やっと校了になったら製版オペレーターへ、さらに印刷オペレーター・製本オペレーターを経て完成する。
僕が理想としている仕事の流れ
- 打ち合わせに行ってお客さんと話をしてお客さんとの会話の中で企画を考える。企画を考えると同時にどういう誌面の構成にしどういう表現にするのかまでだいたい考える。その場で写真が撮れるならその場で写真まで撮ってしまう。
- 撮った写真でラフを作る。
- 写真も入ったイメージラフをお客さんに提出する。
- それを元に原稿を考えて頂く。
- 原稿を入れて完成。
- 完成したら自分で製版(確認)。後は社内の印刷・製本オペレーターに渡します。
という流れです。いろいろなやりとりが自分の頭の中だけで簡潔するのでとてもスムーズです。
たまに撮影だけしてほしい。という依頼がありますが、どういう物にどういう形でどういう風に使うかわからないので正直どういう写真を撮っていいのかわからないので基本お断りしています。