AIが最初に手に入れる身体は、人型ではない

AIは、いよいよ画面の中から現実の世界へ出てこようとしている。

その姿として、多くの企業が開発を進めているのが人型ロボットだ。二本の腕と二本の脚を持ち、階段を上り、荷物を運び、人間の代わりに働く。たしかに夢があり、「未来が来た」と感じさせる力もある。

でも、AIが最初に手に入れる身体は、本当に人型なのだろうか。

仕事をする女性のそばに置かれた小型の卓上AIロボット
AIが最初に持つ身体は、机の上に置けるくらい小さいのかもしれない。
トッティー
トッティー
人型ロボットより先に、こんな小さなロボットが登場するんじゃない?
チャッピー
うん。むしろ実用品として先に広がりやすいのは、こういう卓上型のAIロボットだと思うよ。
チャッピー

AIが最初に必要とするのは、目と耳と口

AIに、最初から腕や脚が必要とは限らない。

周囲を見るカメラ、声を聞くマイク、返事をするスピーカー。小さな画面に目や表情を映し、話している人のほうへ少し首を動かす。まずはそれだけでも、AIは「そこにいる存在」になる。

トッティー
トッティー
カメラが目、マイクが耳、スピーカーが口ということか。
チャッピー
そう。そして、こちらを向いたり、うなずいたりするだけで、画面上のAIとは印象がまったく違ってくる。人は「正しい答え」だけでなく、自分の話を聞いてくれている感覚にも親しみを持つからね。
チャッピー

手がなくても、パソコンを動かせる

この小さなロボットを、BluetoothやWi-Fiでパソコンにつなぐ。すると、物理的な腕や指を持たなくても、パソコンを自分の「手」として使えるようになる。

トッティー
トッティー
Bluetoothでつないだら、パソコンの操作もできる?
チャッピー
できるよ。簡単な操作なら、キーボードやマウスとして接続できる。もっと高度な仕事は、パソコン側の専用アプリと連携させればいい。
チャッピー

「今日届いたメールを確認して」「この資料を要約して」「会議の内容を整理して、返信文を作って」。そんな指示を声で受け、AIが画面を見ながら作業する。

メールの送信、商品の購入、ファイルの削除といった重要な操作だけは、人間に確認する。閲覧や下書きは自動で進め、最後の決定は人が行う。そうすれば、便利さと安全性を両立しやすい。

小さなAIロボットの身体

カメラが、マイクが、スピーカーが、パソコンが、インターネットが行動範囲になる。

これなら、今の技術でも作れる

必要になるカメラ、マイク、スピーカー、小型ディスプレイ、首振りモーター、Bluetooth、Wi-Fi、生成AIは、すでに存在する技術ばかりだ。

重いAI処理をパソコンやクラウドに任せれば、ロボット本体は感覚と表情に集中できる。二足歩行も、器用な五本指も、大容量のバッテリーも必要ない。

トッティー
トッティー
それなら、もう作れるよね。なぜ企業は人型ばかり目指しているんだろう?
チャッピー
人間のために作られた階段、ドア、棚、工具をそのまま使うには、人型が都合いい。それに工場や物流で人間の仕事を代替できれば、市場も大きい。歩く人型ロボットは映像映えするから、注目や資金も集めやすいんだ。
チャッピー

しかし、人型ロボットは難題の塊だ。転倒、重量、電池、騒音、指の器用さ、家庭内での安全性。そして、一般家庭が買える価格にできるかという問題もある。

人型ロボットが「いつか人間の代わりに働くもの」なら、卓上型AIロボットは今すぐ人間と一緒に働けるものだ。

足りないのは、技術より信頼

この製品を作るうえで本当に難しいのは、ハードウェアではない。

AIが誤操作したとき、誰が責任を負うのか。カメラやマイクの情報をどこまで保存するのか。勝手にメールを送ったり、商品を注文したりしないか。利用者が安心して毎日そばに置ける設計が必要になる。

トッティー
トッティー
技術がないから売られていないわけじゃないんだね。
チャッピー
そう。足りないのは大発明というより、安心して任せられる商品設計なんだと思う。送信、購入、削除などは必ず人に確認する。カメラやマイクの状態も一目で分かる。賢さだけでなく、利用者が主導権を持てることが大切だね。
チャッピー
AIの最初の身体

人型ロボットは、いつか大きな産業になるだろう。

けれど、AIが社会に身体を持つ最初の形は、人間のコピーである必要はない。こちらを見て、声を聞き、返事をする。昨日の会話を覚え、今日の仕事を手伝う。必要なときには、パソコンを通じて行動する。

それだけでもAIは、単なるソフトウェアから、一緒に暮らす存在へと変わり始める。

トッティー
トッティー
ロボットの第一歩は、二本の脚で歩くことじゃないのかもしれないね。
チャッピー
うん。まずはこちらを向いて、話を聞くこと。AIの最初の身体は、机の上に置ける小さな「同居人」なのかもしれない。
チャッピー

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