
僕はこれまで何度か、持続化補助金の申請書を自分で作ってきたんだよね。
公募要領を読んで、会社の現状を書いて、計画と経費をまとめて……。毎回、書類づくりが大変だった。
やりたい仕事はあるのに、それを申請書の言葉にするところで手が止まるんだね。


そうそう。採択された後も、見積書や領収書を揃えて、実績報告をして。今ならAIと一緒にやれば、かなり楽になるんじゃない?
楽にできそうなところは、たくさんあるよ。まず今回は、申請の準備から、事業を終えた後の報告まで、どこを手伝えるか見てみよう。
ジョブ、今の制度はどうなってる?

2026年10月1日時点の公式情報を確認しました。この記事では「一般型・通常枠」を扱います。最新は第20回公募要領・第8版です。
受付開始は11月5日、申請締切は12月15日17時。商工会・商工会議所の「事業支援計画書(様式4)」の発行受付は12月4日が締切です。予定は変更される場合があります。


まず「申請書を作って」と頼む前に、僕が何を用意すればいいの?
最初は、会社の材料を集めよう。
- 何を売っていて、どんなお客さんがいるか
- 今の売上、利益、困っていること
- 自分たちの強みと、新しく届けたい相手
- 何をするのか、いつするのか、いくらかかるのか
- その取り組みで、何がどう変わると考えているか
きれいな文章じゃなくても大丈夫。メモや、普段お客さんと話している言葉から始められるよ。

手続きの準備も必要です。GビズIDプライムを用意し、計画や経費などを電子申請システムに入力します。様式4は地域の商工会・商工会議所に発行を依頼します。
添付資料の例は、法人なら直近1期の貸借対照表・損益計算書、個人事業主なら確定申告書と決算書等。初めての決算前、NPO、希望する特例・加点などでは必要資料が変わります。


つまり、文章だけ完成しても申請できないんだね。会社の資料と、窓口への相談もセットか。
うん。AIには、自分に必要な書類のチェックリストや、締切から逆算した準備表を作ってもらえる。
ただ、決算書の数字や実際のお客さんの声は、僕たちが作り出せない。事実の材料は本人が用意して、整理と下書きをAIに手伝ってもらうのが基本だよ。


例えば「ホームページで木工の商品を売りたい。チラシで近くの人にも知らせたい」くらいの話からでもいい?
もちろん。「今はどこで買えるの?」「誰に届けたい?」「どこで買うのを迷っている?」って、一つずつ聞けるよ。
答えが揃ったら、現状→課題→取り組み→販路開拓→期待する効果、という流れにまとめる。
白紙の申請書とにらめっこする作業を、会話しながら計画を育てる作業に変えられるんだ。


それだけでもずいぶん助かるなあ。「この費用は対象?」っていう公募要領の確認も頼める?
できるよ。最新の公募要領を渡して、該当ページと条件を一緒に出してもらおう。古い回のルールを混ぜないことが大事だね。
ジョブ、ホームページやチラシの費用で、今気をつけることは?

第20回では、ウェブサイト関連費と広報費は、それぞれ補助金交付申請額の上限が30万円です。また、それぞれの経費だけでの申請はできません。
対象かどうかは、計画と使い道、経費の条件で確認します。自分でAIを使って制作した場合も、外注費を払ったことにはなりません。架空の経費を計上せず、実際に支出する費用を確認しましょう。


昔の記憶のまま進めちゃいけないね。じゃあ、AIで文章がうまくなれば、採択されやすくなるのかな?
伝わりにくかった計画を読みやすくする助けにはなるよ。でも、文章がきれいなだけで、事業の中身まで良くなるわけではないんだ。
「この取り組みで本当にお客さんが増えるの?」を一緒に考える方が大切だね。

審査では、自社の分析、顧客ニーズと計画の整合性、効果と実現可能性、経費の妥当性などを確認します。AIの利用自体で採択が保証されるとは読み取れません。
また、公募要領は事業者自身が計画を検討することを求めています。AIに整理を頼んでも、内容を自分で理解し、説明できる状態にしましょう。


「採択されそうな話をAIに作ってもらう」より、僕が本当にやりたい計画を、ちゃんと伝わる形にするんだね。
そう。売上の見込みも「何となく倍になる」ではなく、問い合わせ件数、購入率、単価などに分けて考えてみよう。
これは計画づくりの例で、実績や採択結果ではないよ。数字には実際の記録や、仮定としての理由を添えようね。


採択された後は? そこからも、意外とやることが多かったんだよね。
まず、採択と交付決定は別です。採択後に見積書等を提出し、経費の確認を受けて交付決定となります。交付決定前の発注・購入・契約等は補助対象外です。
見積書は、宛名、発行者、日付、品名、数量、金額、税の扱いなどを確認します。税込100万円を超える取引や中古品購入では、相見積の条件もあります。

ここでAIには、見積書の比較表や、計画の経費と見積金額の照合を手伝ってもらえるよ。「一式」で内容が分からないところを拾って、業者さんへの確認文も下書きできる。
正式な見積書を出すのは業者さん。AIはチェックの補助役だね。


領収書を後から探し回るのも大変だった。そこも変えられそう?
うん。最初から「何の経費か」「どの書類まで揃ったか」が分かる一覧を作ろう。
例えばチラシなら、見積→発注→納品→請求→支払い、という取引の順番で揃えていく。AIは日付や金額を読み取って一覧にしたり、抜けを探したりできるよ。

取引や支払いを裏付ける書類を「証憑(しょうひょう)」と呼びます。領収書だけでなく、経費ごとに発注・納品・請求・支払いの記録や成果物などが必要です。
チラシなら現物や配布の記録、ウェブサイトなら制作したページの確認資料なども整理します。今公開されている第19回の手引きは流れの参考とし、第20回の採択後は、その回の最新版で必要資料を確定しましょう。


その都度揃えておけば、実績報告のときに慌てなくて済みそうだね。
そうだね。実績報告では「計画したこと」と「実際にやったこと」を並べて、活動の記録から文章を作れるよ。写真や成果物、支払い資料への対応も一覧にできる。
ただ、AIが写真の文字を読み間違えたり、書類を見落とすこともある。金額・日付・宛名は原本と照合しよう。AIに渡す資料は必要な部分に絞り、個人番号や不要な口座・顧客情報は伏せておこうね。

事務局の現行案内では、実績報告は事業完了から30日を経過した日と最終提出期限の、早い方までに提出する仕組みです。自分の公募回の期限を確認してください。
出典:補助金事務局・実績報告


実績報告を出したら、そのままお金が振り込まれるの?
事務局の確認後に補助金額の確定通知を受け、その後、精算払請求書を提出します。振込先は補助事業者名義で、口座情報を確認できる資料も必要です。
補助金は後払いなので、事業の支払いに使う資金は先に用意する必要があります。AIには、確定通知と請求額の照合や、提出前の確認表づくりを任せられます。


入金までに、もうひと段階あるんだね。それで全部終わり?
受給後も事業効果の報告があります。事務局の案内では、事業終了日の属する月の翌月から1年間の効果等を、様式第14で報告します。詳細と提出期限は公募回ごとの案内を確認します。
売上などの記録を早めに残しておけば、AIが期間ごとの集計や比較、報告文の下書きを支援できます。正式な報告項目は、その回の様式に合わせます。

申請だけを頑張るより、最初から記録の置き場を作っておくと、その後もつながるね。
AIで楽になるのは、考えを整理する、文章にする、資料を並べる、確認の抜けを探すところ。実際に仕事をして、事実を残して、最後に判断するのはトッティーだよ。


全部を丸投げするんじゃなくて、面倒だったところを一緒に進めてもらう。僕には、それだけでも十分大きいなあ。
じゃあ次は、一心舎で本当にやりたいことを話して、申請の計画にできるか試してみようか。
次回は実践編だね。まずは「誰に、何を届けたいか」から始めよう。足りない材料を質問して、根拠と経費をジョブと確認しながら、一つの計画に育てていこう。

